EC顧問をはじめた理由。一冊の本と、ずっとあったモヤモヤ

「なんでEC顧問をやってるの?」と聞かれると、必ずこの話をしてしまいます。また話してるな、と思ったらそっと読み飛ばしてください。

ずっとあったモヤモヤ

ECサイトの制作会社に携わっていた頃、ずっと引っかかっていることがありました。

クライアントから「このページにこの機能を追加してほしい」と言われる。本当に必要かどうかわからないまま、「わかりました」と言って作る。売上が欲しいから、今のフェーズでは要らないものでも、それっぽい提案をしてしまうこともありました。ECサイトは公開してからが本番なのに、公開した瞬間に「お世話になりました」と去っていく。

おかしいな、とずっと思っていました。でも業界の構造がそうなっていたし、自分でもうまく言葉にできていませんでした。

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一冊の本との出会い

2015年に、ソニックガーデンの倉貫義人さんが書いた「『納品』をなくせばうまくいく」という本を読みました。

一言で言うと、「納品を成果物にするビジネスモデルそのものが、受注側と発注側の利益を歪めている」という話です。納品して終わりという構造が、必要のない機能を売る動機を生み、本当に使い続けてもらうことよりも「作ること」が目的になってしまう。それを変えるために、月額定額で継続的にチームとして関わるモデルを作った、という内容でした。

すとんと腑に落ちた気がしました。自分がずっとモヤモヤしていたことが、全部ここに書いてあったからです。

ECサイトは、公開が始まり

この本を読みながら、ずっとECサイトのことを考えていました。

ECサイトは、公開が終わりではありません。公開してから、データを見て、改善して、季節に合わせて、お客様の反応を見ながら育てていくものです。それなのに「納品」という区切りを設けることで、いちばん大事なフェーズを切り離していました。

これだ、と思いました。自分がやるべきことは、作って渡すことじゃなく、一緒に育てることだ、と。

だから、並走することにしました

私たちは、EC顧問という形で、クライアントのチームの一員として継続的に関わっていくことを決めました。納品しない。公開してからが本番。目の前の売上よりも、本当に今必要なことをやる。

正直に言うと、このモデルはまだ世の中に浸透していないかもしれません。「なんで月額制なんですか?」と聞かれることは今でも多いですし、「納品じゃないんですか?」と戸惑われることもあります。

でも、このやり方が自分たちには合っていると思っています。

おわりに

クライアントとして関わってくださっている方、これからご一緒するかもしれない方、らくだデザインで働くことを考えている方、今一緒に働いているメンバーへ。

作って終わりではなく、関わり続けることに意味があると思っています。もしこの話に、少しでも「わかるな」と思ってもらえたなら、うれしいです。

Words by Ryoji Tokumoto